大切な君。
愛しい君。
君が笑っていてくれるのなら。
俺はなんだってするよ。
君のためにできること
「お腹空いたね。」
「そーだねぇ・・・。」
「ペコペコだね。」
「そーだねぇ・・・。」
「お腹と背中がくっついちゃうね。」
「そーだねぇ・・・。」
「・・・・カカシってエッチだよね。」
「そーだ・・・・ってあのねぇ。」
視線を本から外してを見上げる。
はベッドの上でケラケラ笑ってる。
「カカシってエッチなんだぁ!!!」
「人が本読んでるときに邪魔しないの!」
軽くを小突いた。
「だってぇ、折角二人の休みが重なって遊びに来たのにカカシったらずっと本ばっかなんだもん。」
「任務続きでずっと読めなかったんだから、仕方ないでしょ。」
「えー、つまんないぃ。」
「はいはい。」
俺はため息をついて手に持っていた本を閉じる。
「で、どうしたいわけ?」
「んー・・・お腹空いた♪」
「んじゃ、食べに行く?」
「えー!カカシが作ったご飯食べたいぃぃぃぃ♪」
が足をバタバタさせる。
最近掃除してないんだから、やめなさい。
「まったくしょうがないねぇ。」
「いただきまぁす。」
まだ作ってもないのにが手を合わせてる。
「も手伝ってね。」
「えー・・・。」
「えー、じゃないの。ほら、さっさと手伝う!」
「はぁい。」
キッチンに向かう俺の後ろをがペタペタついてくる。
まったく・・・この子は本当に忍びなのか心配だよ・・・。
「で、何が食べたいの?」
「カカシ特製オムライス。」
「また面倒なものを・・・・・炒飯に決定。」
「えー!!!」
「しょうがないでしょ。材料がないんだから!」
「ぶぅぅぅぅ・・・・。」
ふくれっ面の。
それでもちゃんと手伝ってくれる。
文句を言いつつも、ちゃんと残さず食べてくれる。
「あのさ。」
「ん?」
「私、明日から任務になっちゃった。」
「へぇ。」
「3日ぐらい帰れないから。」
「そっか。」
「ご馳走様でした。」
は食器をシンクに入れ、水を流す。
その背中があまりにも小さくて・・・。
「どうしたの?」
「んー・・・なんとなく・・・。」
を抱きしめた。
を感じたくて。
俺も上忍。
も上忍。
回ってくる任務に危険はつきもの。
「帰ってこいよ。」
「当たり前。」
にや・・・と笑う。
つられてにや・・・と笑う。
そして。
キスをする。
「私がカカシのためにできることは、帰ってくることだもん。」
「俺にできることは・・・・?」
が首を傾げてる。
「私を待ってればいいんだよ。」
「そっか。」
「カカシ・・・・。」
「ん?」
「好きだよ。」
「俺はもっと好きだよ。」
忍びは常に死と隣り合わせ。
だから。
生きている今を精一杯生きる。
悔いのないように。
やり残しがないように。
新しい何かを始められるように。
今の俺にできること。
君のためにできること。
君がいつ帰ってきてもいいように。
お風呂とご飯の用意をして。
君の帰りを待っていること。
さて、今日の夕飯は何にしよう?
