ちゃんと・・・・紹介すっから。


俺の一番大切な女だって・・・・。













































満天の空の下
















































俺が任務から開放されたとき、時間はもう深夜だった。
里は静かで、人なんか誰もいねぇ。
桜の花びらが舞ってるくらいだ。


「さっさと寝るとすっか・・・・。」


なんとなく頭上を見上げた。
本当に、なんとなく、だ。
頭上には里の名所の火影岩。
その向こうには満天の星空。
それを間近で見れる広場に、人影を発見した。
いつもの俺だったら、それで終わりだ。


だけど、なぜか気になった。
こんな夜中に人がいるからか。
しかも、火影岩の前に?



つい、足をそこへ向けていた。








両手をポケットにしまったまま、のろのろ階段を上っていく。
もうすぐ到着だ。
最後の一段を上った。







目の前に広がる星空と、里の灯り。
その中に、ぽつん・・・と人がいた。









「何やってんだよ。」
「・・・え?」


振り返ったのは女だった。


「いくら里が安全だからって、こんな夜中にうろつくんじゃねぇよ、めんどくせぇ・・・。」
「・・・・ごめんなさい・・・。」


女はおどおどしていた。


「・・・お前・・・名前は?」
「・・・・・・・。」
・・・なんでこんなトコにいんだ?」
「その・・・・外を見たくて・・・。」
「外なんかいつだって見れるだろ。」
「その・・・星が・・・。」


は星を指した。
めずらしいぐらいに星がよく見える。


「星がきれいだから・・・・その・・・・。」


上を向いたままの俺に伺ってるような視線を向ける。


「・・・・まぁ・・・これなら確かに近くで見てぇよな・・・。」
「・・・・でしょ?」


頷いた俺を見て、はほっとしたように笑った。
つい、ため息が出た。
んで、の隣に立った。

「しゃーねぇから、思う存分夜空を堪能しろや。」
「・・・・・え?」
「俺が一緒にいてやっから、満足するまで星見てろって言ってんだよ、めんどくせぇ・・・。」


一瞬、驚いた顔をしただったが、すぐニコッと笑った。


「本当は一人で心細かったの。ありがと。」
「・・・・おぅ。」


小さく頷いた俺は、と一緒に空を見上げた。


「きれい・・・だね。」
「・・・あぁ。」
「星ってね、生まれる瞬間と、終わる瞬間にすごい輝きを放つんだって。」
「・・・・。」
「最後の最後に、力の限り、一番きれいな自分を見せるんだって。」
「・・・・。」
「でも、それが私たちの目に届くのはずっと先なんだって。」
「・・・・・。」
「・・・・なくなっちゃってから・・・気付かれるのって・・・かわいそうだよね。」


なぜか・・・の声がすとん・・・と胸の中に落ちてきた。
それは俺が忍だからか。
いつ死んでもおかしくはねぇ。
誰も知らないところで、ひっそり、静かに、たった一人で・・・ってこともある。
それを家族や仲間が知るのは・・・・ずっと先・・・。


「・・・だけどよ、最後の輝き、ちゃんと伝わるなら・・・それで満足なんじゃねぇか?」


つい、言葉が出ていた。
がきょとん・・・としてる。
ハズしたか・・・・。


「気にすん・・・。」
「うん、そうだね。ちゃんと伝われば、輝いた意味があるものね。」


は満足したように笑っていた。














そこからは会話らしいものは何もなかった。
俺も、も、ただひたすら星を眺めていた。















空が白み始める頃、がそろそろ帰ると言った。


「送るか?」
「ううん、大丈夫。」
「ちゃんと帰れよ。」
「うん。あ、あなたの名前、まだ聞いてない。」
「俺は・・・・奈良 シカマル。」
「シカマル、ね。そのベストってことは中忍?」
「まぁ・・・・めんどくせぇけど・・・。」


頭をかいた。
それがおかしかったのか、が笑った。


「じゃね、シカマル。」
「おう。」


背を向けたに返事をした。
にっこり笑って真っ直ぐ歩く


「お、おいっ!!」


つい、呼び止めていた。
が振り返った。


「また夜中に一人で出歩くと危ねぇから・・・俺がいるときにしろよ。」


不思議そうな


「俺が一緒にいてやっからよ。
 今度は・・・・3日後の夜にしろよ。」


しばらくして、がまた笑った。
今度はちゃんと手を振っての背を見送った。


の背中が見えなくなって、ただ一人、ぽつん・・・と残されて・・・。



夢・・・だったのか?
柄にもなく、夢を見ちまったのか?



振っていた手をぎゅっと握った。

















































3日後の夜中。
前と同じ時間帯。
俺は火影岩の前にいた。
かれこれ30分。
一人でぼー・・・と空を見上げていた。


やっぱり夢だったのか?


そう思いかけていた時だった。


「シカマル。」


後ろから声がした。


「・・・おぅ。」
「今日は早かったね。」
「まぁな。いつも遅いってわけじゃねぇし。」
「そっか・・・・。」


が隣にきて、空を見上げた。


「・・・・星・・・少ないね。」
「・・・・まぁな。」


前ほど星は見えなかった。
だからか、そんなに星に夢中になれなかった。


「・・・・お前、いつから星、見るようになったんだ?」
「・・・いつからだろう・・・。気が付いたら・・・・見上げてた。」
「こんな時間にうろついてて、親に怒られないか?」
「・・・・大丈夫。」
「夜中にこんな夜更かしばっかしてっと、昼間辛くねぇの?」
「うん、辛い。だから、昼間は寝てる。」


いつもの俺らしくなく、質問ばっかしてた。
俺が質問して、が応えて、また俺が質問して・・・。
















気付いたら、夜明け前だった。


「悪ぃな・・・。」
「なんでシカマルが謝るの?」
「質問ばっかしてて・・・・ゆっくり眺められなかっただろ?」
「ううん、楽しかった。」
「でも・・・。」
「私ね、同じ年頃の友達っていないの。だからこうしていっぱい話せて、楽しかった。」


だから謝らないで・・・とが笑った。
その笑顔につられて、俺もつい、笑っちまった。















































それから、翌日が休みの夜、二人で星を眺めた。


は俺が星に興味が出たと勘違いして、色んなことを教えてくれた。
どっからどうやってここまで持ってきたのか謎なくらい、星に関する本を持ってきた。




俺は・・・・別に星に興味が出たわけじゃねぇ。
ただ、目の前で、と話していることに、興味が出ただけだ。



つまり、俺は、に、興味を、持った。























二人で星を眺めながら色んなことを話した。
仲間のことや、家族のこと、アカデミーでのこと。


次第に、会話は星から、二人の周りでのことになっていた。














































冬の夜。
突然のことながら、寒い。
二人してガタガタ震えていた。


「何もこんな寒ぃときに眺めなくてもいいんじゃねぇか?」
「寒いと空気が澄んでるから、星がよく見えるのよ。」


が言うとおり、初めて会ったときぐらい、満天だった。


「それに、シカマルと会えるんだったらこのぐらいの寒さ、平気。」


の言葉に、一瞬、震えが止まった。


「お前・・・それって・・・。」
「あっ!!見て!!流れ星!!」
「えっ・・・!!」


視界の片隅で、何かが流れた。


「あ・・・またっ!!」
「・・・マジかよ・・・・すげぇ・・・・・・!!」
「ほらっ!!あそこでも!!」


流れ星は1つ2つじゃなく、何個も、何十個も、何百個もあった。
視界に写る全てが流れ星でいっぱいだった。


「そういえば・・・・今日は流星群が通るって言ってたっけな・・・。」
「本当?!何流星群?!」


の目が輝いていた。


「・・・悪ぃ・・・かぁちゃんがそう言ってたのを聞いただけだからよ・・・。」
「そっか・・・・でも、流星群をシカマルと見れたのって嬉しいな♪」


が幸せそうに笑った。
本当に幸せそうで・・・・。
手が、の肩に乗っていた。


「・・・・・・・。」
「ん?どうしたの?」
「・・・・・しゃべるな・・・・。」
「・・・シカ・・・・・。」


たくさんの星に見られながら、俺はにキスした。
驚いてただっだが、抵抗することもなく、じっと目を閉じていた。


「流れ星の下でキスした恋人は末永く一緒にいられるんだよ。」


上目遣いで俺を見上げる。


「じゃ、末永く、一緒にいりゃいいじゃん・・・。」
「そ、だね。」


どちらからともなく、笑い合った。













































それからも、と夜中の密会は続いた。
何度もキスした。
手もつないだ。













































だがよ・・・・。
最近、俺は不満に思うことがある。


昼間辛いから寝てるんだったら、夜更かししないで昼間起きてればいい。
そうすれば・・・・。
明るい陽の下で、もっとを見れる。
頼りない月明かりの下じゃなく、目を閉じても眩しいくらいの陽の下で。




なんでは昼会ってくれないのか・・・。




それが疑問だった。













































「なぁ。・・・。」
「なぁに?」


しっかり手をつないで、二人並んで寝っ転がって星を見上げている。


「今度、昼間会わねぇか?」
「・・・・・・え?」


一瞬、の体から怯えた気配がした。


「いや・・・別に今のままでも十分楽しいし、満足なんだけどよ・・・。
 その・・・・たまには・・・・太陽の下で・・・・手をつなぎてぇ・・・っつか・・・。
 昼間なら、俺の仲間とかにも紹介できるしよ!!」


なぜが怯えたのか解らなかったが、それを失くそうと躍起になって話した。


「・・・・・・・考えさせて・・・・。」
「・・・・おう・・・・。」


それから、は話さなかった。



















夜明けが近くなって、帰る時間になった。


「じゃ、気をつけて帰れよ。」
「・・・うん。」
「・・・・送ってくか?」
「・・・・ん、大丈夫。」
「・・・そ・・・そか・・・。」


を送ったことは1度もなかった。
俺としては送ってやりてぇが、がそれを断る。
だったら、それ以上深入りすることもねぇ。


「・・・・シカマル・・・。」
「・・・んあ?」
「・・・・・今度の休み・・・いつ?」
「あー・・・・予定だと1週間後・・・だな。」
「・・・・・そっか・・・。」
「じゃ・・・・またな・・・。」
「・・・ん・・・。」


が小さく頷いて、歩き始めた。
だが、数歩歩いて、立ち止まった。


「シカマル!」
「どうした?」
「・・・・1週間後、お昼丁度に広場の噴水で待ってる!!」
「おぉ・・・・・・。・・・え・・・?」
「待ってるから、ちゃんと来てね!」
「・・・おぉ!」
「ちゃんと、シカマルの仲間、紹介してね!!」
「任せろよ!」
「ちゃんと・・・・ちゃんと、シカマルの彼女だって紹介してよね!!」


真っ赤になって叫ぶ
そんな風に叫ぶを見たのは初めてで驚いたが・・・。


「・・・めんどくせぇけど、俺の一番大切な女だって紹介してやるよ!!」


俺も、と同じぐらい真っ赤になって叫んだ。
は驚いた顔をして、すぐ、幸せそうに笑って走って行った。



俺の一番大切な女。


それがだって・・・。


めんどくせぇけど、胸張って宣言できるぜ?















































任務は1週間の遠征だった。
まだ国境近くで争いがあって、俺たちの任務は味方に物資を運ぶことだった。
予定では簡単なはずだった。
だが、途中、敵に雇われた他国の忍が邪魔に入り、難航していた。


「・・・・アスマの先生よぉ・・・・。」
「なんだ?」
「あとどれくらいで里に帰れるんだ?」
「・・・物資をちゃんと送り届けんことにはなんとも言えんな・・・。」
「・・・・・俺だけ先に帰っていいか?」
「馬鹿なことを言うな。お前がいなかったらみんな死ぬぞ。」


正直、俺の頭脳があったからここまで来れたと言ってもいい。
上忍のアスマの考えることは相手にも読まれていた。
だから、俺がさらにその先を読む必要があった。




・・・。



約束の日まで、あと2日。
ここからすぐに戻ったとしても、たどり着くまでに3日かかる。



目を閉じる。



は俺が忍だと知っている。
忍がどういうモノか、説明する必要がないほど自身知っていた。



大丈夫。


きっと、なら解ってくれる。



その日1日だけじゃねぇ。




これからも、ずっと、末永くと一緒にいるんだから・・・よ。














































里に戻ってきた日の夜。
俺は真っ先に火影岩の前にいた。
いつもの時間より2時間早い。
空には、雲が覆っていた。


だが、きっとは来る。
アスマに頼んで、本来なら忍に伝令を伝える鳥を1羽貸してもらった。
今、俺がここにいるという内容の手紙を携えて、きっとに運んでくれる。






1時間が過ぎた。






2時間。






そろそろ来るころか?






3時間、4時間。






もしかして、マジで怒ってるんか?






5時間、6時間、7時間・・・・。






空が明るくなった。























は・・・・来なかった。

初めてここで、一人の夜を過ごした。













































それから、俺は里を離れる日以外、毎晩夜明けまでここに来た。
だが・・・・は来なかった。



だんだん怒りが芽生え始める。

俺は任務だったんだ。
予定外に伸びることがあるっても知ってるのに。
たかが1日すっぽかしたからってここまで怒ることはねぇんじゃねぇか?
ましてや、俺の意思ですっぽかしたわけじゃねぇのに・・・。





に会いてぇよ・・・・なぁ・・・・・・・・。














































「シカマルはいるか?」


中忍待機所にアスマが現れた。
俺は毎日の夜更かしに耐えられなくて、半分寝てた。


「おい、シカマル。」
「・・・・・んぁ・・・・アスマかよ・・・・。」
「ちょっとこっちへこい。」


半ば強引に引きづられて、待機所の外に出た。


「これを見ろ。」
「・・・・なんだよ・・・。」


アスマから渡された白い封筒を受け取って中身を確認する。


「前にお前に貸した鳥が持って帰ってきてな・・・。」
「・・・・・・。」
「宛名が書かれてなかったから、つい読んじまったんだが・・・・。」
「・・・・・・。」
「ここに書かれてる日って・・・・お前・・・・。」
「・・・・・・。」
「だから・・・あんなに帰りたがってたのか・・・って、おいっ!!シカマルっ!!」


アスマの声を無視して、俺は走りだした。
手紙を握り締めて。







目指したのは、木の葉病院。
手紙を読んで、真っ先に思い立った場所へ向かった。
だが、たどり着いた部屋のドアを開けることはできなかった。
開けたら・・・・認めちまう気がして・・・・。











目の前のドアに書かれているのは『霊安室』。













「シカマル・・・君?」


しばらく戸惑っていたら、看護婦が一人、こっちに来た。


「よかった・・・手紙、読んだのね。」
「・・・・あんたは?」
「ここでのお世話をしていたの。
 の遺品の中にあの手紙を見つけて・・・・。
 そこにちょうどあなたからの鳥が飛んできてね・・・。
 迷ったんだけど・・・鳥に頼んで正解だったわ。」
「・・・・・・。」


ほっとしている看護婦とは正反対に、顔から血の気が引いていく。
じゃあ、ここに書かれていることは・・・・現実ってことか?
悪戯じゃなくて?









息を吸い込んで、そっとドアに手をかけた。
重い音を鳴らしながら、ドアはゆっくりと開いた。






そこには何もなかった。









「・・・・ごめんなさいね。
 あと2日早かったら・・・・まだここにはいたんだけど・・・。」


申し訳なさそうに呟いた看護婦は、小さく会釈して立ち去った。





俺は・・・・・何もないその部屋で立ち尽くしていた。













































頭上に広がる満天の星。
冷たい風が頬を撫でる。


手にはしわしわになったからの手紙。
震える指でそれを丁寧に開いた。




















『シカマルへ。

 
 シカマル、任務お疲れ様。
 こういう形でしか今の私を伝えられなくてごめんね。
 怒らずに、めんどくさがらずに、最後まで読んでほしいな。





 何から伝えれば、あなたは混乱しない?






 最初言わなきゃいけないこと・・・・それは私の体のこと。
 私、生まれつきの病気を持ってるの。
 
 太陽の光を浴びてはいけない病気。
 もし長時間浴び続けてしまったら、私に先はない。
 
 物心がついたときから、カーテンの締め切った部屋で過ごしてた。
 外から聞こえる楽しそうな笑い声を聞きながら、私は家の中でずっとじっとしてた。
 自分の状況が理解できてなかったときは何度もワガママを言って両親を困らせたものだわ。

 それから私の病気が原因で両親は離婚。
 母親と二人で頑張ってたけど・・・・3年前、過労で倒れて、そのまま帰ってこなかった。
 
 私は病気のせいもあって、病院で過ごすことを余儀なくされたの。
 
 昼間だというのに、真っ暗な部屋。
 お見舞いに来るような人もいなくて、ずっと一人ぼっち。
 だんだん私は全てを簡単に諦めることができるようになった。

 ただただ、決められた通りに過ごしている私に、
 お医者様は夜中の数時間の外出を許可してくださったの。







 そして、私はシカマル、あなたと出会った。







 初めての友達、初めての好きな人、初めてのキス。
 全てが新鮮で、ワクワクして、ドキドキした。
 私の知らない世界を教えてくれる唯一の人。
 いつか一緒に流星群を見たときのような興奮の日々だったわ。


 シカマルから昼間会おうと言われた前日。
 お医者様が私に言ったの。
 私の未来はあと半年だって・・・。
 遮断していたはずのカーテンの隙間から、わずかではあるけれど、太陽の光が入り込んでいたの。
 








 シカマル、勘違いしないでね?
 決して自暴自棄になって自殺しようとしてるわけじゃないの。

 明るい太陽の下で、大好きな人に会いたい。
 ただ、それだけ。
 

 私にも、普通の人と同じような恋愛が出来るって証明したかったの。
 
 
 これから、シカマルに会いに行きます。
 初めての明るい世界。
 怖くないと言えば、それは嘘になる。
 だけど、明るい太陽の下で、シカマルに会える。
 そのためなら、私、頑張れる。






 
 さあ、あなたはどんな顔して私に挨拶してくれるのかしら?
 早く会いたいよ、シカマル。
 約束通り、あなたの仲間に紹介してね?



 自分で言うのもなんだけど、今の私、すっごく輝いてる。
 十数年っていう短い人生だったけど、一番輝いてる。

 シカマルのお陰だよ、ありがとう。

                            より。    』















嘘だろ・・・・?


そんなこと、1回も聞いてねぇぞ?


だから、は夜にしか会えなかったのかよ・・・・。


だから、あのときあんなに怯えてたのかよ・・・!!









何がIQ200だよ。



ふざけんなよ・・・。



こんだけ色々そろってて、どうして気付かねぇんだよ・・・。



にとって昼会うっとことがどれほど命がけだったか・・・。
いや・・・命がけどころじゃねぇって・・。
命を捨てることだったか・・・。





は俺と会うために、命を捨てた。
それなのに、俺は、分かってくれるなんて、勝手に・・・。










しかも、俺がうだうだしたる間に、はもう本当に姿を消した・・・・。














ざまぁねぇよ・・・。



なんなんだよ・・・。



もぉ・・・・めんどくせぇよ・・・。





どうして・・・・あのとき頷いちまったんだよ・・・・・・・・!!


どんなに楽しみにいていたか。
だって女だ。
精一杯お洒落して、ほんのり化粧なんかして・・・・。


会いたかったなぁ・・・に・・・。































ふいに、背後に気配を感じた。


・・・・?」


振り返ったが・・・・誰もいなかった。





















「きれい・・・だね。」

「星ってね、生まれる瞬間と、終わる瞬間にすごい輝きを放つんだって。」

「最後の最後に、力の限り、一番きれいな自分を見せるんだって。」

「でも、それが私たちの目に届くのはずっと先なんだって。」

「・・・・なくなっちゃってから・・・気付かれるのって・・・かわいそうだよね。」






















初めての夜の会話。


お前は、このことを言っていたのか?


俺は・・・・お前がこの世にいなくなってから・・・気付いた。























「シカマル!」

「・・・・1週間後、お昼丁度に広場の噴水で待ってる!!」

「待ってるから、ちゃんと来てね!」

「ちゃんと、シカマルの仲間、紹介してね!!」

「ちゃんと・・・・ちゃんと、シカマルの彼女だって紹介してよね!!」






















と最後にあった夜。




あのとき、はどんな気持ちで叫んでいたのか。




















・・・・悪ぃ・・・。

こんな俺で・・・・悪ぃ・・・・。





ちゃんと・・・・紹介すっから。


俺の一番大切な女だって・・・・。


里中に言いふらしてやる。


が恥ずかしくて夜でも真っ赤になるのが解るぐらいに。






「・・・・俺には・・・・お前だけだぜ・・・・・・・・。」


そっと腕で頬を拭ったと同時に。



夜空にひときわ輝いていた星が見えなくなった・・・・気がした。















はい、シカマル短編です。
これはキリ番24242を踏んでくださったゆう様のリクエスト。
内容は「シカマルの悲しい系」とのこと。
いかがでしたか?

悲しい=死ネタ?

と、単細胞な私。
すいませんでした。

ゆう様のみお持ち帰りオッケーです。