わかってた



わかってたハズなのに



なんでこんなに泣きたくなるんだろう?































































梅雨







































































とカカシの繋がりを知った私はぼー・・・っとしたまま、家に戻った。

鍵を開けて、部屋に入って・・・・電気を点けずに部屋の真ん中に座り込んだ。











真っ暗な部屋。









でも、それが丁度良かった。

だって、電気をつけたら、部屋が明るくなる。

明るくなれば、いろんなモノが目に入る。











今は何も見たくない。













真っ暗な中でいろんなことが蘇る。



























と会ったときのカカシの動揺した姿。























カカシと会ったときののあの笑顔。





















カカシが女にだらしなくなったのが2年前で。

とカカシが別れたのも2年前。


















それってさ?

















もしかして、もしかしなくても・・・・。





















と別れたのが原因で・・・・。





















淋しさを紛らわすために。



















じゃあ・・・・・・。
















今も?







































































「電気も点けずに何してるのよ。」

いきなり部屋が明るくなった。

いつの間に入ってきたのか、部屋の入り口にカカシが立っていた。

「あぁ・・・カカシ。」

「電気点いてないからいないのかと思ったでしょ。」

「なんかめんどくさくて・・・ね。」

空笑い・・・っていうのかな。

顔だけが笑ってる。

「ご飯は?」

「あー・・・まだだ。」

言われて初めて自分が空腹なことに気付く。

「はい、これ。」

カカシが何かの袋を差し出す。

見れば牛丼のお持ち帰り用の袋。

「食べよ?」

「うん。お腹空いてた。」

私は立ち上がり、お茶の用意をした。

















「任務、どうだった?」

「んー?ま、大したことないし。」

「怪我とかしてない?」

「怪我してたらここに来てないって。」

「そっか。」

「そうでしょ。」























他愛もない会話。

いつもはそれが心地よいはずなのに。

今はもどかしく感じる。











「ご馳走様。」

「はい、ご馳走様。」

「お風呂は?」

「入る。」

「んじゃ、用意してくるね。」









バスルームに行き、お湯を溜める。

溜まっていくお湯をぼー・・・っと見つめる。















私とカカシは付き合っているワケじゃない。

お互いに丁度いい、都合のいいポジションにいるだけ。

お互いの過去については一切触れない。

いつ、離れていこうが、それはお互いの自由だし、当然の権利。







それが暗黙の了解。
















だから・・・・。



















私が落ち込もうが、凹もうが・・・・。













それでカカシに質問したり怒ったりするのは間違っている。

















もしここで何かが起きれば。


















この関係は簡単に終わってしまう。


































「お風呂、できた?」

「あ、うん。」

「君も一緒に入ろう。」

カカシがにっこり笑って私の服に手をかける。

「任務の後なんだから、一人でゆっくり入れば?」

「単独任務だったから人恋しいのよ。」

カカシにされるがまま、私は服を脱いでいく。





















「やっぱお風呂は熱いのに限るねぇ。」

「今のセリフ、オヤジ臭いよ・・・。」

「しょうがないでしょ。そう思うんだから。」

狭い湯船にカカシに抱っこされる形で私も入っている。

「あのさ・・・・・。」

「ん?」

カカシが天井を眺めながら呟く。

「今日・・・・一緒にいた女・・・・・・知り合い?」













ドキン・・・・。











まさか、カカシからその話題に触れるなんて・・・。















「あー・・・うん。昔近所だったから。

 幼馴染っていうの?仲良かったんだよねぇ。」

なるべく明るく話す。

「へぇ・・・・そっか。」

「うん。私もびっくりしちゃった。カカシとが知り合いだったなんて。」

「あー・・・・うん。ま、昔のことだけど・・・。」









失敗した。













さりげなく探りをいれた自分を後悔する。

今、カカシはきっとのことを考えてる。











でも、1度開いた口は止まらない。













「付き合ってたんでしょ?」

「アイツから聞いたの?」







へぇ・・・。

のこと、「アイツ」って呼ぶぐらい仲いいんだ?

ま、当然って言えば当然か。

付き合ってたんだし。









「けっこう続いてたって聞いたよ?

 なんで別れちゃったの?

 、私から見てもかわいいし、もったいないなぁ。」

「まぁ・・・色々あってね・・・。」

「どぉせカカシが浮気かなんかしたんでしょぉ?」

「・・・・・・。」









やばい。

カカシが黙った。

これは怒ってるのか?











「あ、でも、カカシがタラシになってのって、と別れてからだよね?

 ってことは、に振られちゃった淋しさを他の女で埋めてたのか?

 カカシも悪だねぇ。」

「ねぇ・・・・。」

「まさか、いまでも引きずってるの?」

「ねぇ。」

「だから私のところに・・・。」

「おいっ!!」









強引に私を振り向かせて、キスをした。

激しく、深い、キス。







まるで怒っているような・・・。









「うるさいよ・・・・。」







ようやく唇を離したカカシは呟く。

そのまま私の首筋に唇を移動させる。









「・・・っんっ・・・・!!」







カカシのお陰で敏感になった私の体は・・・ちゃんと反応する。

カカシの手が私の体に触れる。

それは私のどこをどのように触れれば私が鳴くかを知っていて・・・。

私も抗うことなんか、できない。











だって。













私はカカシを求めている。













それが体だけの繋がりだとしても。

















その行為の間は、カカシは私を感じてくれる。















バスルームの熱気の中、私とカカシは1つに繋がり、そして、果てた。


































わかってた。





















わかってたハズなのに。

















なんでこんなに泣きたくなるんだろう?


         



カカシ長編「梅雨」の第3話です。
微妙に核心に迫ってきた・・・?
ノロノロ更新でごめんなさい。


BGMは遠来未来様よりお借りしました。