とうとうきちゃったね






いつかくるだろうと思ってた






思ってたから覚悟もしてた






だけどさ






だけど・・・・
































































梅雨




































































一人分の夕飯を一人で食べる。

めずらしいことじゃない。

カカシが任務でいない日だってあった。

だから一人の食事にも慣れてる。







なのに、なんでだろう。





今日のご飯は・・・・おいしくない。





失敗したのかな?





料理してるときの私、尋常じゃなかったし。

















































「あれ?もう帰ってたの?」

突然、カカシが部屋に入ってきた。

「あ、秋刀魚!!いいねぇ。俺の分は?」

うれしそうに私の隣に座る。

「ないよ。」

「えー!!なんで!!いつもは作ってくれるでしょ!!」





うん、いつもは作ってあげてた。







カカシが来るまで食べずに待ってた。







だけど、今日は違う。







「お腹、いっぱいなんじゃないかなって思ったから。」

「は?なんで?」

きょとん・・・・とするカカシ。







そんな顔・・・・しないで。







私、見たんだから。









「コーヒー、おかわりしたんでしょ?」









笑顔でいられる自分に感動。







「・・・・見たの?」







カカシの声のトーンが低くなる。







「そりゃあ、あんだけ人通りのある喫茶店の窓際に座ってたら見ちゃうよね、普通。

 でも、に頼まれてたからさ、約束守れたんだからほっとしてる。」





ほっとなんかしてないよ。





「あのさ・・・。」

「でもよかったんじゃない?」







何かを言おうとしたカカシの言葉を遮る。







さっきの二人をみてしまった私は。





カカシが何を言いたいのか分かってしまった。







カカシの口からは・・・・聞きたくない。







きっと・・・。







惨めに泣いてしまうから。













はかわいいし、性格もいいし。

 それに、女ったらしで有名のカカシが3年も付き合ってた女だよ?

 ここら辺で落ち着くってのも有りだと思うなぁ。」





「・・・・・・・・。」





「大体、の彼氏候補はいっぱいいるんだよ?

 それなのにカカシのことずっと忘れられなくて、2年も思い続けてて・・・。

 カカシって幸せ者だよねぇ。」





「何が言いたい?」





「何って・・・ヨリ、戻すんでしょ?

 それならそれでいいんじゃないかって言ってるのさ。」





「・・・それでいいの?」






































それを・・・・私に聞くの?































残酷・・・なんだね。































「私は・・・・。」



























もう、笑うしかない・・・ね。
























「私には・・・選択権なんて・・・・ないよ。」




























そう、選択権があるのは、カカシだけ。




























「私とカカシは付き合ってるワケじゃない。」

























カカシが選ぶしかない。




























「だから、約束もしない、干渉しない、自由気ままに・・・だったじゃん。

 そんな私たちのどこに相手を配慮する必要があるの?

 と一緒にいるときのカカシ、楽しそうだったよ?

 幸せそうだったよ?

 私と一緒にいるときよりも・・・・抱き合っているときよりも・・・。」
















ここまで言ったら・・・・言わなきゃ・・・ね。

















さぁ、息を吸って。





















楽になろう。























































「好きでもない女を抱くヒマがあるなら・・・本当に好きな女を抱きなさい。

 暇つぶしに付き合わされるのなんて・・・まっぴらごめんだ。」



























































































「・・・・わかった・・・・。」











カカシはゆっくりと立ち上がった。









「君に言われた通り・・・・俺と君の間には何もないからね。

 これからのこと・・・・少しは考えないと・・・ね。」
















































カカシが・・・出てった。




























































一人残された私は、途中だった夕飯を食べ始める。

























終わった。













壊れた。











私とカカシの関係。

 










とうとうきちゃったね。











いつかくるだろうと思ってた。











思ってたから覚悟もしてた。











だけどさ。

















だけど・・・・。





















どうせなら・・・。















こんなに好きになってしまう前に壊れたかった・・・な。








































夕飯は冷たく・・・・しょっぱかった。
















塩加減、間違えちゃったみたい。





             



はい、カカシ長編第6話でぇす。
ついに壊れちゃったね・・・。
いいのかなぁ・・・。



BGMはDissonance様よりお借りしました。